砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「アベルがなぜ僕に王位を継がせたくなるなんて思うのですか?」
「すべては可能性の問題だ、アルス。ありとあらゆる状況を考慮して最善の対策をしておくことが大事なんだ」
カインは、愛しい息子の頭を優しく撫でた。
「カルヴィン・オルディンは疫病で死ぬ。盛大な葬儀をしてその死を世間に広めてくれ。
私は棺に入る。疫病なら棺を開けてまで遺体を確認するものはいない。誰しも死を呼ぶ病にはかかりたくないからな。
棺には息ができるカラクリを仕込んでおくが、葬儀の後、速やかに墓から掘り起こしてくれ。
アルスは感染の確認として一週間隔離されるが、そこは我慢してほしい。
その後はアルスの手伝いをしながらスカトーフェルンの研究を進めていく」
「ですが、僕のような子供がオルディン家の当主になれば、その座から引きずり下ろそうと画策する輩が生まれませんか?」
アルスの困惑はよくわかる。
カインは、アルスの瞳をじっと見つめた。
まっすぐにこちらを見つめるカインと同じオルディンブルーの瞳。だが、色味こそ同じだがそこに宿る光は全く違う。
アルスのそれは、アベルより受け継いだ見る者を威圧しひれ伏さずにいられない、王者の威光だ。
ーー今のこの子なら、きっと理解できる。
カインが背負う罪と、この国の抱える問題、全てを解決するためにはカインが消えるしかないのだと。
「すべては可能性の問題だ、アルス。ありとあらゆる状況を考慮して最善の対策をしておくことが大事なんだ」
カインは、愛しい息子の頭を優しく撫でた。
「カルヴィン・オルディンは疫病で死ぬ。盛大な葬儀をしてその死を世間に広めてくれ。
私は棺に入る。疫病なら棺を開けてまで遺体を確認するものはいない。誰しも死を呼ぶ病にはかかりたくないからな。
棺には息ができるカラクリを仕込んでおくが、葬儀の後、速やかに墓から掘り起こしてくれ。
アルスは感染の確認として一週間隔離されるが、そこは我慢してほしい。
その後はアルスの手伝いをしながらスカトーフェルンの研究を進めていく」
「ですが、僕のような子供がオルディン家の当主になれば、その座から引きずり下ろそうと画策する輩が生まれませんか?」
アルスの困惑はよくわかる。
カインは、アルスの瞳をじっと見つめた。
まっすぐにこちらを見つめるカインと同じオルディンブルーの瞳。だが、色味こそ同じだがそこに宿る光は全く違う。
アルスのそれは、アベルより受け継いだ見る者を威圧しひれ伏さずにいられない、王者の威光だ。
ーー今のこの子なら、きっと理解できる。
カインが背負う罪と、この国の抱える問題、全てを解決するためにはカインが消えるしかないのだと。