砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「アルベルトは我が娘の婚約者であり私の大事な友人でもある。そんな彼を侮辱するとは私を侮辱しているのと同じことだよ、伯爵」

それまで穏やかに成り行きを見守っていたラインハルトからスッと笑顔が消えた。

一瞬で彼の雰囲気が一変した。金色の瞳は冷たい光を帯び、まるで罪のすべてを見透かしているとでもいわんばかり。彼から発せられるオーラは誰しもが彼の前にひざまずかずにいられないほどの威圧感。
それはまさに王者の風格だった。

「フォトキナ王国の国境で起きた小競り合いがなかなか収束しないのは貴殿のせいか。おまけに輸出した穀物の価格を吊り上げて不当に利益を得ていたとはな」
「あ、え、あ…」
「どうした、ドゥーエ伯爵。私に忠誠を誓っているのだろう?よもや私をたばかって私腹を肥やすような卑怯な真似はしておらぬな?」

ラインハルトの迫力に、ドゥーエ伯爵はその場に崩れ落ちた。
彼はアベルをにらみつけ喚き散らしながら兵士に拘束され、牢へと連れて行かれた。

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