砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「まさか、カルヴィン?
私、夢でも見ているのかしら。あなたが舞踏会にいるなんて」
その時、人々の中からひとりの女性がアベルとカインに歩み寄った。
カインとどことなく似た面立ちの彼女は、カインの姉でオルディン家の三女サラだ。
「お久しぶりです、姉上」
「相変わらずぶっきらぼうね。
アルベルト王子、いつも弟がお世話になっております。病弱な子ですけれど、ご迷惑などおかけしておりませんでしょうか?」
「いえ、立派によくやってくれていますよ」
「もしかしてあの美少年、カルヴィン・オルディンじゃない?サラ・オルディンが、弟って言ったわ」
「オルディン家の?すごいじゃない!!」
オルディン家の後嗣であるが極端に表舞台を嫌い、滅多に姿を見せることのないカイン。
その彼が舞踏会に姿を見せたことだけでも人々の目を攫った。
ざわつきが大きくなった広間に円舞曲がゆったりと流れ始めた。自然な流れでアベルはサラの手を取り、二人が踊り始める。
それを見送るとカインはそっと会場の隅へと移動した。
人々の好奇に満ちた視線も、話しかけられるのも、勿論踊りも全てが面倒でうんざりでイライラする。
しかも、普段話もしない姉のサラがアベルに近づく為、わざわざカインに声をかけてきたのも内心腹を立てていた。
今日に限って体調がすぐれないこともイライラを増長させる。
ーー揃いも揃って、亡者どもめ。
私、夢でも見ているのかしら。あなたが舞踏会にいるなんて」
その時、人々の中からひとりの女性がアベルとカインに歩み寄った。
カインとどことなく似た面立ちの彼女は、カインの姉でオルディン家の三女サラだ。
「お久しぶりです、姉上」
「相変わらずぶっきらぼうね。
アルベルト王子、いつも弟がお世話になっております。病弱な子ですけれど、ご迷惑などおかけしておりませんでしょうか?」
「いえ、立派によくやってくれていますよ」
「もしかしてあの美少年、カルヴィン・オルディンじゃない?サラ・オルディンが、弟って言ったわ」
「オルディン家の?すごいじゃない!!」
オルディン家の後嗣であるが極端に表舞台を嫌い、滅多に姿を見せることのないカイン。
その彼が舞踏会に姿を見せたことだけでも人々の目を攫った。
ざわつきが大きくなった広間に円舞曲がゆったりと流れ始めた。自然な流れでアベルはサラの手を取り、二人が踊り始める。
それを見送るとカインはそっと会場の隅へと移動した。
人々の好奇に満ちた視線も、話しかけられるのも、勿論踊りも全てが面倒でうんざりでイライラする。
しかも、普段話もしない姉のサラがアベルに近づく為、わざわざカインに声をかけてきたのも内心腹を立てていた。
今日に限って体調がすぐれないこともイライラを増長させる。
ーー揃いも揃って、亡者どもめ。