砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「アルベルト殿下にご挨拶したのだろう。カイン・オルディンの死も伝えてくれたのだね。嫌な役回りをさせて悪かった」
「殿下はひどく嘆いておられました。同時に親を亡くした私にもひどく心を砕いてくださいました。
……本当にこれで良かったのでしょうか。殿下には真実を」
「先ほど偶然、殿下にお会いした。殿下の傷の手当をしたよ」
ひどく驚いたアルスの顔は、幼い頃のアベルの顔によく似ている。
瞳と髪の色こそオルディン家の遺伝だが、大きな瞳が印象的で表情豊かな顔立ちはアベルにそっくりだ。
「私は名もなきフォトキナの住人。殿下にはもう二度とお会いすることはない。その覚悟は変わらない。
ただ、覚えていてほしい。この世の誰より殿下は信頼できる人物だ。殿下は君のためならどんな援助もしてくれるだろう。君のためなら命さえかけてくださるに違いない。
アルセウス・オルディン公爵。今は君の時代だ。その援助に甘んじるも、お断りするも君が選べ」
「僕は遠慮なく甘えますよ。……子どもの特権です」
顔を見ればわかる。
アルスは聡い子だ。アベルが実の父だと気付いているのだろう。
「殿下はひどく嘆いておられました。同時に親を亡くした私にもひどく心を砕いてくださいました。
……本当にこれで良かったのでしょうか。殿下には真実を」
「先ほど偶然、殿下にお会いした。殿下の傷の手当をしたよ」
ひどく驚いたアルスの顔は、幼い頃のアベルの顔によく似ている。
瞳と髪の色こそオルディン家の遺伝だが、大きな瞳が印象的で表情豊かな顔立ちはアベルにそっくりだ。
「私は名もなきフォトキナの住人。殿下にはもう二度とお会いすることはない。その覚悟は変わらない。
ただ、覚えていてほしい。この世の誰より殿下は信頼できる人物だ。殿下は君のためならどんな援助もしてくれるだろう。君のためなら命さえかけてくださるに違いない。
アルセウス・オルディン公爵。今は君の時代だ。その援助に甘んじるも、お断りするも君が選べ」
「僕は遠慮なく甘えますよ。……子どもの特権です」
顔を見ればわかる。
アルスは聡い子だ。アベルが実の父だと気付いているのだろう。