砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
足音と共に剣が空気を切る音。どさりと大きなものが地面に落ちるような音がした。

一瞬で何が起きたのか。ただ目の前には首と胴体が離れた男の遺体と、致命傷を負って倒れこんだ男の姿があった。

「隊長!やっと追いついた……こいつらがダリィとコリンの仇か!ってか、一撃ですか!?すごすぎる……」
「一人は生かしてある。連れていけ」

剣に付着した血液を払って鞘に納めたその姿を、あとから来た騎士の持つ灯りが照らした。
まるで軍神の化身のようなその姿は紛れもなく、アベルだった。

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