砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「女性は愛嬌、じゃなかったでしたっけ」
カインは、感情を一切表に出すことなく会話を続ける。
アベルが先日まで付き合っていたアニー嬢の良いところは愛嬌だと言っていたことを思い出していた。
「愛嬌があっても鈍いのはダメだ。いちいち言わなきゃわからない。下手すると言ってもわからない。
そうだ、カイン…」
「マリー・ミヤニング嬢はアベルより5つ歳上ですから、下手すると結婚を迫られます。
選ぶなら花ですね。枯れれば捨てる、と暗示してますし。季節のソニアの花を用意しましょう。花言葉は“ひとときの想い”です」
カインの言葉にアベルはため息をついた。
アベルが尋ねるまでもなく、カインには言わんとすることがわかっている。その楽なこと。打てば響くこの関係は最高だった。
つくつもりもないが、カインに嘘はつけない。この信頼は何物にもかえがたい。
カインは、感情を一切表に出すことなく会話を続ける。
アベルが先日まで付き合っていたアニー嬢の良いところは愛嬌だと言っていたことを思い出していた。
「愛嬌があっても鈍いのはダメだ。いちいち言わなきゃわからない。下手すると言ってもわからない。
そうだ、カイン…」
「マリー・ミヤニング嬢はアベルより5つ歳上ですから、下手すると結婚を迫られます。
選ぶなら花ですね。枯れれば捨てる、と暗示してますし。季節のソニアの花を用意しましょう。花言葉は“ひとときの想い”です」
カインの言葉にアベルはため息をついた。
アベルが尋ねるまでもなく、カインには言わんとすることがわかっている。その楽なこと。打てば響くこの関係は最高だった。
つくつもりもないが、カインに嘘はつけない。この信頼は何物にもかえがたい。