砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
その時、来客を知らせるベルが鳴った。

「どなたでしょう。特にお約束などもございませんが…」

出迎えに向かったモレーに続いてモリセットも廊下へと出た。


そんな彼の目に飛び込んできたのは、コツコツと靴音を鳴らして、勢いよく走ってくる女性の姿だ。


「モリセット、カルヴィンは執務室?」


部屋にいるカインにも聞こえた甲高い女性の声は、カインも知る声だ。

「カルヴィン、私よ、サラ」

モリセットも後を追いかけてきたモレーも突き飛ばすようにして、ドレス姿の女性が執務室に入ってきた。

執務室のあるオルディン家本邸ではなく、彼女の為の別邸で暮らすカインの姉、三女のサラ。彼女がわざわざカインを訪ねて来たのは初めてのことだ。


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