砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「姉上、なんと行儀の悪い。年頃のレディーが、こんな訪問の仕方がありますか?」
「弟に会うのに、行儀も何も必要ないわ。堅苦しいのは嫌いよ。
それよりカルヴィン!ひどく痩せて!栄養失調の子どもみたい。成長期なんだから、たくさん食べなきゃダメよ。大きくなれないわ」
「そんなことを言う為にわざわざいらしたんですか、サラ?」
開口一番の小言にも、無表情のカイン。迷惑そうなことだけはわかる。
実の弟とはいえ、生まれながらにしてオルディン家を背負う将来を約束されていたカインとサラは顔を合わせることも少なかった。
自由奔放に伸び伸びと育てられたサラ。彼女にとってカインは弟であるがまるで理解出来ない、つかみ所のない他人のような存在だった。