砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「カルヴィン様…」

嵐が去って、困った様子のモリセット。

「気にするな。二人とも持ち場に戻れ。
私は、モレーの淹れてくれたお茶が冷めきる前に少し休憩するよ」

二人が部屋を出て行くと、カインはモレーの淹れたお茶を口にしながらゴミ箱から手紙を拾い上げて封を切った。


『親愛なるカイン

元気にしているか?
お前が居なくなってその存在の大きさを改めて痛感している。
先日、俺の意見に反対ばかりのミヤニング伯爵が急に態度を変えてきた。オルディン公爵によろしくとの伝言付きで。

ありがとう。離れていてもいつも俺の事を助けてくれて。

以前のように、一日中でなくてもいい。半日でも数刻でも、数日おきでも構わないから、側で手伝ってはもらえないだろうか。

オルディン家が大変な状況なのは承知の上だ。
お前はただ、俺を見守って迷った時に道を示してくれるだけでいい。なるべく負担はかけない。

待っている』


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