砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命

「ところで、お前はどうなんだ、アベル。相変わらずお盛んか?」
「まぁ、ほどほどに楽しんでいます」
「近頃はオルディン公爵家のサラ嬢と仲が良いと聞いたが?」
「ハハハ、サラ嬢の弟がここに居ますからね、彼女は友人の姉君に過ぎませんよ」
「オルディン家なら家柄も文句ないが」
「私はまだ結婚するつもりはありません。遊んでいたいし、陛下に世継ぎが出来て身軽になったら考えますよ」
「そうか。
サラ嬢は美しいし、明るい。彼女が居るだけで場が華やぐからなぁ、オルディン公爵?」

ーーこれは、どうすべきだろうか。

ディアルドがサラを気に入っている。
まさかと思うがサラを愛妾に迎えたいのでは。
ディアルドの口ぶりにカインは不穏なものを感じた。

「サラは、ただの行き遅れです」
「オルディン公爵、姉君をそんな風に言うものじゃない」

ディアルドの言葉で疑心は確信に変わる。
ーーこれは、厄介なことになる。
カインはお転婆な姉の姿を思いうかべてため息をつきたい気分だった。
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