砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命


会場に音楽が流れ始めた。
通例としてパーティの主役であるサラが、本来なら父親と踊り始める。だから父親代わりのカインがサラの手を取った。


「サラ、本当にこれでよかったのですか?」

カインはそっとサラにささやいた。
ディアルドの妾妃にと正式に申し出があると、サラはあっさりと承諾した。

「当たり前じゃないの、カルヴィン。国王陛下にぜひと求められて正妃様に推薦されたのよ。名誉なことじゃない」
「…アベルのことは?」
「いやだ、心配してるの?意外と優しい子ね、カルヴィン。
あれは、ただの憧れ。アルベルト王子は気安く女の子と付き合うように見えて、本当は難攻不落の城よ。女の子に本気になったりしない。優しいけれど掴みどころがなくて、本心では何を考えているのかわからない。
そんなところ、カルヴィンに似てるわ。だからあなた達の友情が続いているのね」

そう言ったサラの笑顔に迷いはなかった。

< 78 / 246 >

この作品をシェア

pagetop