砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「大丈夫。私、陛下のお心をがっちり掴んで離さない。愛されて幸せになってみせる。それに、正妃様にもちゃんと心配りをするわ。世継ぎを産んでもらわなければ、安心できないものね。
全部わかってるから。上手くやってみせる。心配しないで」

カインは大きく頷くと、うやうやしくサラの手を国王ディアルドへと渡す。サラとディアルドが手を取り合い、フロアの中心へと踊りだしていった。

二人は、同じ生地同じ色で染められた正装に身を包んでいる。
これは、フォトキナの伝統『デュス』と呼ばれる習慣だ。
恋人同士や夫婦になった男女が一緒に舞踏会に参加する時、互いのパートナーと同じ生地、同じ色で作られた揃いの衣装を身にまとう。
そうしてお互いだけが対であると公の場で披露するのだ。

ーーデュス、よく似合っていますよ、姉上。幸せになってください。

これで、カインの役目は終わった。姉は国王陛下の庇護のもととなる。


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