砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「踊っていただけません?オルディン公爵」
その時、目ざとくカインの姿を見つけた女性がカインに向かって手を差し出した。
女性の顔に見覚えがある。正妃ジョセフィンの出身ブリュオー王国の大使ロシェ侯爵の娘、ミレットだ。つり上がった目が猫を想像させる。顔立ちも派手だが、着ているドレスも豊満な胸元を大胆に見せるデザインで目のやり場に困る。香水の匂いもキツイ。
体つきといい、ちょっとオツムが足りなそうな雰囲気といい、遊び相手としてならアベルの好みだろう。
キツイ香水の匂いを嗅いでいたらカインは本当に気分が悪くなってきた。めまいを起こしそうになって、近くのテーブルの端をつかむ。
「カイン?」
よろけたカインの体。アベルがとっさに手を伸ばしてくれたが、その手をやんわりと拒む。
「申し訳ございません。
ミレット嬢、わたくし、少々疲れてしまいました」
「そんな…」
「では、代わりに私がお相手ではいかがですかな?カインはそこで休んでいるといい」
カインの脇からアベルが彼女の手を取ると、有無を言わせずフロアへと連れ出した。
その時、目ざとくカインの姿を見つけた女性がカインに向かって手を差し出した。
女性の顔に見覚えがある。正妃ジョセフィンの出身ブリュオー王国の大使ロシェ侯爵の娘、ミレットだ。つり上がった目が猫を想像させる。顔立ちも派手だが、着ているドレスも豊満な胸元を大胆に見せるデザインで目のやり場に困る。香水の匂いもキツイ。
体つきといい、ちょっとオツムが足りなそうな雰囲気といい、遊び相手としてならアベルの好みだろう。
キツイ香水の匂いを嗅いでいたらカインは本当に気分が悪くなってきた。めまいを起こしそうになって、近くのテーブルの端をつかむ。
「カイン?」
よろけたカインの体。アベルがとっさに手を伸ばしてくれたが、その手をやんわりと拒む。
「申し訳ございません。
ミレット嬢、わたくし、少々疲れてしまいました」
「そんな…」
「では、代わりに私がお相手ではいかがですかな?カインはそこで休んでいるといい」
カインの脇からアベルが彼女の手を取ると、有無を言わせずフロアへと連れ出した。