嘘つきは恋人のはじまり。
「玲」
何も考えられないほどぼんやりする頭に届く声はいつもと違う声。低く艶やかに色を含みわたしを呼んで。
「…あ、ぁっ」
膨張し誇張したそれを押し付けられ布越しに擦られては下腹部から伝わる感覚に戸惑い困惑する。
わからない何かが襲ってくる。
さっきからずっと、這い上がる何かにどう対処すればいいのか分からない。
それが怖い、というよりもどかしく焦ったいから厄介で。これがなんなのか正体を知りたいのに知りたくないのも困る。
「…コレ、冷たくない?」
合わさったそれらを邪魔するように九条さんの指が隙間に介入した。指の背でそろりと撫でられ身体が跳ねる。
「…ぁあっ、あっ、やっ」
「いや?」
いっかい、にかい、とゆっくり上下する指が止まる。下から覗き込む顔がどこか意地悪で、だけどすごく嬉しそう。
「こんなに濡れてるのに?」
そんなこと言わないでほしい。言われなくても分かってる。分かってるのにわざわざ言葉にされるとさらに恥ずかしい。
「本当にいや?」
また、するりと撫でてやめる。そして問いかける彼はわたしの答えを誘い出そうとする悪魔。