嘘つきは恋人のはじまり。
ここでいや、と言えばやめてくれるのだろうか。そんな疑問が頭に思い浮かんだけど、声になることはなく、そしてそれは無駄なことだと知った。
「もっとして、って言うまで続ける」
もう死刑宣言に近い言い草だ。それなのに身体が悦ぶ。戸惑う心とは正反対な反応に、だけど言葉だけはなんとか否定を投げかけた。
「……キス、だけ、って」
「うん。キスしかしない」
九条さんは不敵な笑みを浮かべるとゆっくりとわたしを押し倒した。ベッドに背中を預け、力の入らない身体をだらん、と放り投げる。
九条さんはわたしを覗き込みながら髪を梳き、耳元や頬、額や目蓋にキスを落とした。
「口開けて」
言われるがまま口を開ける。キスをし過ぎたせいか、顎が疲れてした。それなのに、九条さんの命令には逆らうことができない。
‼︎
ショーツのクロッチを指が掠めた。ツツ、と触れられただけで反応するわたしを九条さんは目を細めて見つめる。
長い指の腹が優しく、だけど悪戯に撫でてゆく。時々爪を立てられて、声にならない音を溢した。
まるで漏らした、ようなショーツのぐっしょり感に、恥ずかしくて、だけど抵抗もできないほど気持ち良くて、拒絶とは言えない声は飲み込まれていく。
「んふっ」
「きもちい?」
不意に指がショーツを潜った。戦慄く局部に、直に触れる。
‼︎‼︎‼︎
「、や、」
今までの、クロッチを撫でられた時と全然違う鋭い刺激に全身が震えた。皮膚の感触、指の動き、彼の手は止まることなくゆっくりと上下する。
「玲、キスしよ」
神経を下腹部に集中させてしまったせいか、九条さんの言葉にわずかに舌を絡めた。
甚振るようにじわじわと快楽を教えてゆく彼に、もうすっかり陥落させられたわたしは、言われるがままキスに没頭した。