恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
…そんな運びで、結局砂川君の言葉に甘えて家まで車で送ってもらう事となってしまった。
医院の駐車場まで、砂川君の後をついて歩くようにしてたどり着く。
砂川君が開けてくれた車のドアは、助手席ではなく後部座席のものだった。気を遣わせているな、と内心で申し訳なく思いながら車に乗り込む。
「ごめんね砂川君、あんなにお世話になった上に家まで送ってもらう事になっちゃって…本当にごめん」
「ついでだから気にしなくていいって言ったろ?それにしても相澤の謝り癖、昔から変わらないな」
そう小さく笑いながら砂川君がサイドブレーキを外し、アクセルを踏んだ。
──お前、何にでも謝り過ぎだろ。
そういえば昔もよくこうして砂川君に注意されていたっけと思い出し、懐かしさが込み上げた。
砂川君は相変わらず格好良くて大人っぽい…といっても、今はお互いに社会人で立派な大人だ。
「砂川君だって昔と雰囲気あんまり変わんな…って、あれ?」
「ん、どうした?」