恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
発症前に私と関わりがあった人間、か…。
確かに私が強く恐怖感を抱くのは、基本的に初対面の男性だったり、相手の事を何も知らないようなあまり面識のない男性が主だ。
かといって病気を発症する前もあまり積極的に男子と話せるようなタイプではなかったから、私には男友達や困った時に相談が出来るような男性の知り合いはあまりいない。
今砂川君に指摘されるまでずっとそれに気がつけなかった事も、自分の男性方面における人間関係の狭さを思えば、当然の事なのかもしれない。
「でも相澤、職場ではどうしてるんだ?当然男だって居るだろうし、今日まとわりついてた男だって会社の上司か何かだろ」
今日まとわりついてた男…部長の事だ。
「普通に仕事してて男性に触られたり、二人きりになったりする事って無いから、何とか普通に働けてると思う。職場の同僚も私が男性恐怖症だって認識してくれてて、いつもフォローしてくれたり気遣ってくれてるし。
今日の男の人も砂川君の言う通り会社の上司で、部長なんだけど…お酒飲むと悪酔いして人変わっちゃうみたいで、いつもはあんなじゃないんだよ」