恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「最後に、その、さ・・・」

「ん?」

「触って欲しいの」

(あ・・・)

思わず口にしてしまったそんな言葉に、自分で言い出しておきながら一瞬思考回路が停止する。

(私、今なんて・・・)

我に帰り、一体何て事を口走ってしまったのかとカァっと顔が熱くなる。砂川君はというと、戸惑うというより驚いた様子で目を丸くしていた。

「違うの!その・・・そう、現実エクスポージャーの治療!あの、一の項目のやつ・・・っ」

そう慌てて口走る。その言葉は言い訳か本心か。

「あぁ、確か” 男性から身体に3秒以上触れられる”だったか?」

砂川君が腑に落ちたようにそう尋ね、私は小さくコクンと頷いた。重ねるように、部屋に入っても大丈夫かとも尋ねられ、またコクンと頷く。

砂川君がゆっくりと部屋の中に入り、後ろ手でドアを閉める音が響いた。
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