恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

砂川君と部屋に二人きり。そんな状況が自分を襲う緊張は、以前とは確かに違うものだった。

「また何か急いでるのか」
「え?」
「まだクリアしてない項目がいくつかある筈だけど」

そんな砂川君の言葉にギクッとなる。確かにいくつかの未実践の項目をすっ飛ばしていきなり自分にとっての最難関の項目を実践したいだなんて不自然極まり無い。

そうあたふたする私を見て、砂川君が面白がるようにクスクスと笑った。

「まぁ、項目順を意識しなくても、今相澤が出来そうな事を実践するのが一番だからな」

そう言って砂川君が、スッとその左手を私に差し出す。

「いきなり俺から触れられるのが怖いなら、相澤から自分のタイミングで触れるのでも良いけど。どうする?」
「・・・・・。」

数秒間だけ考え込み、私からが良いです、と返した。
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