虹色アゲハ
『大丈夫だけど、もしかして来てくれたの?』

「まぁ、来た意味なかったけど」

『ふふ、でもありがとう。
ねぇせっかくだから、部屋寄ってかない?』

瞬間、心が躍る倫太郎。


「…なんか食いもんあんなら」

『はいはい、なんか作ってあげるから、合鍵使って上がってきて』

倫太郎は、それを使った事はなかったが…
何かあった時のため、お互い交換していたのだ。


ところが。
弾む気持ちで車を停めようとした矢先、メールが入り…
倫太郎は苦渋の思いで、用事が出来たと揚羽に断りの連絡を入れたのだった。



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