虹色アゲハ
柑愛の携帯を乗っ取って以来。
揚羽は2人のやり取りを耳にしたり、文字で見たりはしていたものの。
実際目の当たりにすると、不可抗力に胸が疼いて…
それが腹立たしくてたまらなかったのだ。
すると、ふいに久保井と視線が絡んで…
「っ、本当に仲がいいですね」
慌てて笑顔でそう取り繕うと。
「うん、いつかは結婚したいと思ってるし」
返ってきたその言葉に…
感激する柑愛と持て囃す田中専務に紛れて、揚羽は胸を抉られる。
かつて自分も久保井に言われた、プロポーズを思わせるその言葉は…
今までで一番嬉しかった言葉で。
この上なく残酷な言葉で。
憎らしくて、遣り切れなくて…
でももう2度と、久保井なんかに心を乱されたくなくて…
今に見てろと、必死に自分を奮い立たせた。
その夜、仕事を終えると。
心がボロボロに疲れ果てた揚羽は、倫太郎に甘えたかったが…
同じ局面で拒絶された手前、出来なくて。
かといって他に甘えられる場所もなく…
でも独りにはなりたくなくて。
以前のように、店の近くの公園に向かった。
揚羽は2人のやり取りを耳にしたり、文字で見たりはしていたものの。
実際目の当たりにすると、不可抗力に胸が疼いて…
それが腹立たしくてたまらなかったのだ。
すると、ふいに久保井と視線が絡んで…
「っ、本当に仲がいいですね」
慌てて笑顔でそう取り繕うと。
「うん、いつかは結婚したいと思ってるし」
返ってきたその言葉に…
感激する柑愛と持て囃す田中専務に紛れて、揚羽は胸を抉られる。
かつて自分も久保井に言われた、プロポーズを思わせるその言葉は…
今までで一番嬉しかった言葉で。
この上なく残酷な言葉で。
憎らしくて、遣り切れなくて…
でももう2度と、久保井なんかに心を乱されたくなくて…
今に見てろと、必死に自分を奮い立たせた。
その夜、仕事を終えると。
心がボロボロに疲れ果てた揚羽は、倫太郎に甘えたかったが…
同じ局面で拒絶された手前、出来なくて。
かといって他に甘えられる場所もなく…
でも独りにはなりたくなくて。
以前のように、店の近くの公園に向かった。