レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「―ところでデニス,わたし達の関係を,いつお父さまに打ち明けるかを,わたしはずっと考えているの」
リディアは昨夜のように,デニスの肩に頭を乗せて,少し考えてからゆっくりと口を開いた。
「うん」
「でね,思いついたの。カルロス王子がこの国に来ている間に,そのタイミングをぶつけてみたらどうなるかしら,って」
「……ハイ?」
デニスは面食らう。彼女が言っている意味が分からない。
「ほら,『王子との縁談は受けたくない』って,お父さまに伝えてあるでしょう?その理由が,あなたと恋仲だからって言えば,お父さまも納得して下さると思うの」
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