レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「――なあ,リディア。オレのどんなところを好きになったんだ?」
デニスが唐突に正面からリディアを見つめて,訊ねた。
「えっ?どうしたの急に?」
戸惑うリディアに,デニスは真摯な眼差しでもう一度問いかける。
「うん……,いや。オレって,スラバットとの混血で,何ていうか異国風(いこくふう)だろ?だから,お前もそういうところに惹かれた,ってことはねえかな?」
もしもそれが,彼女が自分に惹かれた理由だとしたら,同じような外見の異国の王子に心奪われる可能性もなくもないのではないだろうか?
「そうね,ないとは言い切れないわ。あなたのその異国風(エキゾチック)風貌(ふうぼう)は,確かに魅力的よ。特に,()んだ茶色の瞳がわたしは好き」
そんなデニスの心配を読み取ったかのように,リディアは「でもね」と続ける。
「わたしがあなたを好きな理由は,それだけじゃないのよ。幼い頃からずっと変わらず,わたしに壁を作らずに接してくれるところとか,いつも真っすぐなところとか。あなたの魅力は数えきれないくらいあるわ」
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