レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
父に「カルロスどの」と呼ばれた褐色肌の青年に向かって,彼女は優雅に自己紹介をした。
「初めまして,カルロス様。レーセル帝国へようこそおいで下さいました。わたしはこの国の第一皇女,リディア・エルヴァートでございます」
腰を(かが)めて深々とお辞儀すると,その美しさに,隣国の客人達の中からは「ほう……」とあちらこちらからため息が漏れる。
顔を上げたリディアは,青年の顔をまじまじと眺めた。
デニスと同じような褐色の肌に赤い髪,茶色の瞳をしている。ただ,髪はカルロスの方が長いし,肌の色もデニスより彼の方が若干濃い気がする。多分,こちらが純粋なスラバット人の肌の色なのだろう。
でも,彼の澄んだ茶色い瞳だけは,デニスと同じだとリディアは思った。
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