レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「デニスとわたしは,幼なじみなんです。出会ったのは五歳の時でした。母と,生まれてくるはずだった弟を亡くして,塞ぎこんでいたわたしを元気づけてくれたのが彼と,もう一人の幼なじみのジョンだったんです」
「幼なじみ?」
「ええ。彼はわたしの剣の師匠でもあるんですよ」
リディアは数日前に三人で港町へ出向き,そこで海賊と戦ったことをカルロスに話して聞かせた。
「その時も,デニスが力を貸してくれたからわたしは戦えたようなものですわ」
デニスと目が合い,頬を赤らめるリディアを見て,カルロスは何かを(さと)ったようだが,彼はあえてそのことを追及(ついきゅう)しなかった。
「リディア様は美しいだけでなく,お強くもあるのですね」
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