レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「ええ,まあ。強くなければ民はおろか,自分の身を守ることすら(かな)いませんもの。カルロス様は,剣の腕はいかほど?」
「私は……,剣はからっきしダメです。我が国は,(いくさ)とは無縁です。守ってくれる護衛の兵士もおりますし」
その答えに,リディアは言葉を失った。この王子はどれだけ平和ボケしているのか,そしてどれだけお人()しなのか,と。
彼の伯父・サルディーノ宰相はどう見ても胡散(うさん)(くさ)い。カルロスがまだ王として即位していないことと合わせて考えても,彼が王位を狙っていることは分かりそうなものなのに。
「――あの,カルロス様。あなたとの,縁談のお話なのですが……」
< 151 / 268 >

この作品をシェア

pagetop