レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。

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「――それで,内密な話とは何なのだ?リディアよ」
大広間を出たところで,イヴァンは娘に,わざわざ外まで呼び出した用件を訊ねる。
「すみません,お父さま。どうしても,サルディーノ宰相の耳には入れたくない話だったものですから」
リディアはまず一言父に詫び,本題に入った。
「わたし,カルロス様との縁談のお話をお断りしました」
「そうであろうな。……それで?」
続きを促され,リディアは側に立っているデニスと顔を見合わせる。果たして,父に自分達の関係について話していいものか?
――きっと大丈夫。何たって,縁談相手だったカルロスが背中を押してくれたのだ。
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