レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「……はい」
「あ,それから。くれぐれも,サルディーノ様にはこのことはご内密に。では,後ほど」
そう言って微笑むと,彼女は王子の向かい側の自分の席に腰を下ろした。
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晩餐会の後,リディアはデニスと二人,中庭の四阿でカルロスを待っていた。
二人とも,大広間から直接来ているため,着替えもしていない。デニスなんか,例の肩がこりそうな礼装のままだ。彼にしてみれば,拷問としか思えない。――それはともかく。
「あ,それから。くれぐれも,サルディーノ様にはこのことはご内密に。では,後ほど」
そう言って微笑むと,彼女は王子の向かい側の自分の席に腰を下ろした。
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晩餐会の後,リディアはデニスと二人,中庭の四阿でカルロスを待っていた。
二人とも,大広間から直接来ているため,着替えもしていない。デニスなんか,例の肩がこりそうな礼装のままだ。彼にしてみれば,拷問としか思えない。――それはともかく。