レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「そうそう,デニスどのだ!聞けば,殿下とその若者とは幼なじみなのだとか。子供の頃から親しかったそうで」
「ええ。……それが何か?」
リディアは苛立ちを隠しながら,サルディーノに問い返す。いい加減,彼の回りくどい言い方にはウンザリしてきていた。
「あなたがデニスどのに抱いている感情は,本当に男女間の愛情なのでしょうか?幼なじみへの情愛(じょうあい)を,愛と勘違(かんちが)いなさってはいませんかな?」
「……!」
(彼が言いたかったのは,これだったの!?)
彼女はハッと息を呑んだ。いつかは誰かに言われると思っていた。そして,自分でも何となく思っていたことだ。「自分のデニスへの想いは,本当に恋なのか?」と。
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