レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「当たり前だろ。そのためにオレがいるんだからさ。いざって時には,オレが盾になってやるよ」
「……そんな悲しいこと言わないで」
デニスの言ってくれたことは,とても嬉しくて頼もしいことのはずなのに。リディアは表情を曇らせた。
「盾になる」ということは,彼が自分の代わりに犠牲(ぎせい)になるということだ。――そう思うと,素直に喜べなかった。
「分かった分かった!オレの言い方が悪かった!オレは簡単に()られたりしねえから!だから安心しろ,なっ?」
「……本当に?」
「ああ,本当だって」
泣き出しそうな顔をしていたリディアは,デニスの返事を聞いて安堵した。
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