レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
レーセルが国として安定するようになったのは,二〇〇年前にリディアの先祖であるエルヴァ―ト家の当主・ピエール一世が政権を取ってからだ。以降,この国は代々エルヴァ―ト一族が治めており,女帝が君臨するようになったのも,この二〇〇年の間のことである。
「――姫様,お待たせ致しました。どうぞ」
エマが注いでくれた紅茶のカップに口をつけてから,リディアは再び口を開いた。
「うん,美味しい。――でも,女性の皇帝はもう何代も誕生していないのよ。わたしが即位すれば,八〇年ぶりになるんですって」
「だったら,尚更リディアは死ぬわけにいかないよな」
「ええ……」
自分は死ぬわけにいかない。そして,デニスも,ジョンも,カルロス王子も死なせたくない。
「――姫様,お待たせ致しました。どうぞ」
エマが注いでくれた紅茶のカップに口をつけてから,リディアは再び口を開いた。
「うん,美味しい。――でも,女性の皇帝はもう何代も誕生していないのよ。わたしが即位すれば,八〇年ぶりになるんですって」
「だったら,尚更リディアは死ぬわけにいかないよな」
「ええ……」
自分は死ぬわけにいかない。そして,デニスも,ジョンも,カルロス王子も死なせたくない。