レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
こうなるともう,デニスだけが頼りだ。
「デニス,わたしのこと,しっかり守ってちょうだいね」
彼女は側に控えている恋人に,そっと囁いた。デニスもしっかりと頷く。
「ああ,分かってるって」
リディアはその返事に安心しつつも,一抹の不安を拭いきれなかった。
(デニス,お願いだから死なないで)
「しっかり守って」と言っておきながら,そんなことを願うのは矛盾している。けれど,矛盾していると分かっていても,愛している人には死んでほしくない。
愛とは,時に矛盾を伴うものなのかもしれない。
「――姫様,陛下が参られました」
大臣の声で,リディアはハッとした。一階奥から,侍従や兵士をズラズラ連れた父が歩いてくる。その風格は,堂々たるものだ。
「デニス,わたしのこと,しっかり守ってちょうだいね」
彼女は側に控えている恋人に,そっと囁いた。デニスもしっかりと頷く。
「ああ,分かってるって」
リディアはその返事に安心しつつも,一抹の不安を拭いきれなかった。
(デニス,お願いだから死なないで)
「しっかり守って」と言っておきながら,そんなことを願うのは矛盾している。けれど,矛盾していると分かっていても,愛している人には死んでほしくない。
愛とは,時に矛盾を伴うものなのかもしれない。
「――姫様,陛下が参られました」
大臣の声で,リディアはハッとした。一階奥から,侍従や兵士をズラズラ連れた父が歩いてくる。その風格は,堂々たるものだ。