レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「ただ,夕方オレが離れてる間に,リディアとジョンがなんか親しげにしてたから,ちょっと面白くなかっただけだよ」
「……そういうのを,『妬いてる』っていうのよ」
リディアはすかさずツッコミを入れる。そして,この時初めてデニスの想いに少しだけ気づいたような気がした。
「わたしは別に,ジョンを異性として意識したことはなかったけど。あの時初めて分かったの。ジョンが,わたしに好意を抱いていることが」
「そっか。でも,お前が好きな相手はアイツじゃないんだろ?アイツも(むく)われないよな」
「ええ……」
リディアは想い人であるデニスの前で何だか,ジョンの無垢(むく)な想いを受け入れられないことに,若干(じゃっかん)の申し訳なさを感じていた。
「まあ,アイツはカタブツだからなあ。あからさまにお前に想いを告げることはないと思うけどな」
デニスのジョンに対する評価は,なかなか(まと)()ている。
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