夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

諦めるな!!
泣いてる暇があるなら……落ち込んでいる暇があるなら、前に進まなきゃっ!!
だって、私は……、……。

「私は、夢の配達人白金バッジ(ヴァロン)の奥さんだもんっ……!!」

私には大した力なんて何もない。
でも、誰よりも彼を信じていて、愛してる。

彼への想いを心でいっぱいにして、私は走り出した。
キッカケのカケラを、集めて、紡いで、奇跡に変える為に……。


昔、私はどんな人混みでも、例えヴァロンが変装していても彼を見付けられた。まるで産まれる前は一緒に在った魂が、再び一つになるべく引かれ合うように……。

どんなに離れていても、繋がってる。
私達は何度離れても、また同じ人生(みち)に戻ってくる事が出来る。
私が、笑顔を忘れない限り。


ねぇ、そうでしょ?……ヴァ……ーーッ、?

"ヴァロン"、と。その名を心の中で呼ぼうとした瞬間だった。
心の中で黒髪に黒い瞳、紺色の着物を着た男性が……。首を少し傾けて、意地悪そうな、でも胸が暖かくなる優しい笑顔で、私に左手を差し出した。

ーーチリンッ……!!

何の違和感もなく、差し伸べられた手に無意識に自分の手を伸ばそうとしたら……。触れる瞬間に鈴の音がして、私はハッとする。
それはまるで、束の間だけ夢か幻の中に迷い込んだような感覚だった。
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