夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

「必ず戻って参ります、アラン様の元にっ……。だから、それまで……ッ、待ってて下さいますかっ?」

ーーその問い掛けに、オレの答えなんて決まってる。

「……嫌だな」

「!っ……。そう、です……」

「ーー"待っている"だけなんて、オレの性に合わん!」

「!っ、え……?」

"嫌"に俯きかけたスズカの手を引き、オレはベッドの上に用意された鞄をもう片手に持つと、彼女と一緒に部屋を出る。

「あ、あのっ……アラン様ッ?」

廊下をズンズンと進むオレに、スズカは戸惑ったように声を掛け顔を覗き込みながら着いてくる。
そんな彼女と視線を合わせて、オレは言った。

「一緒に行く」

「えっ……」

「もう離れないし、離してやらない。……覚悟しろ?」

「っ、……」

スズカの手を、指を絡め合うように強く握り直しながらオレが微笑んで尋ねると、彼女は涙ぐんで、必死に"うんうん"と頷く。

本当は笑顔が見たいんだが、今は仕方ないかーー。
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