諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 以前なら、理人さんと結婚できると言われれば嬉々として飛びついていただろう。ただ今は、結婚するなら彼の気持ちを確かなものにしてからが良いと思うようになっていた。

 形だけではない。いつかではなく、心を通わせてから夫婦になりたかった。

 言い訳にした花嫁修業も、本当は幼少期から少しずつ叩き込まれていた。なぜ了承してくれたのかはわからないけれど、父もそれは知っていたはず。

 父なりに私を気遣ってくれたのかな。

 だからといって、これでいつまでも先には伸ばせそうにないよね……。

 すると、とある妙案を(ひらめ)いた。同時に、額に青筋を張る理人さんの顔が頭をもたげる。

 ……これをやったら、理人さん、絶対に怒るだろうな。

 確証に近い思いがあった。

 でも、もうそれほど時間は残されていない。そうなれば強硬手段も……。

 迷いを振り払い、私は決断した。
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