諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「いきなり転がり込もうとするなんて、いったいお前の思考回路はどうなっているんだ」

「私と同棲しませんか?」

「普通は荷物を持ってくる前に聞くんだよ!」

 理人さんは、怒りに奥歯を噛み締めていた。

「先日父が、そろそろ私たちの結婚の話を進めようと思ってるって言ってきたんです」

 私の言葉に、理人さんの片方の眉がピクリと動く。

「理人さんは、このまま結婚してもいいんですか? ……私は嫌です」

「それがどうして同棲なんて思考になるんだ」

 理人さんが、ため息のように漏らした。切なさに胸が痛む私は、取り繕った微笑を浮かべる。

「結婚する前に、もっと理人さんと色んな時間を過ごしてみたいと思ったんです。もちろん、それだけで好きになってもらえるとは考えていないですけど、お互いを知るいい機会にはなるんじゃないでしょうか」

 私が告げると、理人さんは難しく眉を顰めた。
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