諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~

「ここ、荷物片してやるから使え」

 そう言って、理人さんはリビングの右手にあったドアを開けた。

 私はキャリーケースを持って理人さんのもとへ向かい、彼のうしろから中を覗く。八畳ほどの部屋の中には、いくつか段ボール箱が置いてあるだけだった。

 荷物用の部屋だったのかな。

 リビングだけでも十分すぎるほど広く、たしかに部屋数も多そうなところだけれど、無理を承知で押しかけたのだから、まさか部屋まで用意してもらえるなんて思ってもみなかった。

「ありがとうございます」

 言い終えてから、私は遠慮がちに足を踏み入れる。さっそく段ボール箱を抱えた理人さんが、「あっ」と思い出したように声を上げた。

 小首を傾げた私は、彼に眼差しを送る。
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