諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「向かいの部屋には入るなよ」

「お仕事の部屋ですか?」

 私の反応に、理人さんは馬鹿にしたように鼻を鳴らした。

「寝室だ」

 その言葉に、胸がどきりと音を立てる。なんとなく気恥ずかしくなって、頬がみるみるうちに紅潮していくのがわかった。

「さすがに寝室に忍び込むなんてしませんよ」

 ふくれっ面になる私に、理人さんは、

「どうだか」

 と肩を竦める。

 私がキスすらできなかったのを知っているのに……。

 思わず唇を噛み締めていると、段ボール箱を持って部屋を出た理人さんが、ゆっくりと振り返った。
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