諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「いたた……」

 見上げると、彼は涼しい顔つきでこちらを見下ろしていた。

「俺も入ってくる。覗くなよ」

「覗きませんってば」

 反論する私など気にも留めず、理人さんはリビングをあとにした。

 そう簡単にはいかないか。この前は二回もキスしてくれたのにな。

 つい数日前の出来事を反芻(はんすう)すれば、くすぐったい気持ちになって思わず膝を抱えたくなる。ごろん、と仰向けになった私は、視界の端になにかを捉えた。

 起き上がって見ると、そこには毛布が一枚畳んで置いてある。

 本当に用意してくれている。
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