諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~

「――おい」

 身体が揺すられる感覚に、突然ぱっちりと目が覚めた。うつろに眠い中、こちらを覗き込む理人さんの顔が、視界にぼんやりと浮かび上がる。

「……あれ? 理人、さん?」

 理人さんがどうしてここに?

 重い頭をふらふらさせながら、私は身体を起こした。周りの景色が自宅ではないことに気がつき、私はようやく自分が理人さんの家にやって来たのを思い出す。

 毛布を抱えていたら、いつの間にか眠ってしまったらしい。

 バスルームから戻ったばかりなのか、理人さんの頬はいつもより血色が良く、髪もわずかに湿っていた。

 その色っぽさに、思わずドキッとする。

 彼は上下黒のパーカーとスウェット姿で、初めて見るラフな恰好がとても新鮮だった。
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