諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 動いていないはずなのに。理人さんには暗闇でも私が見えているのだろうか。

 いささか戸惑いながらも、私はゆっくりとまぶたを閉じる。そして、静かに話し出した。

「理人さん。こんなふうにいきなり来て、迷惑でしたよね」

「なんだ。今からでも出ていってくれるのか? すぐに送ってやるぞ」

 相変わらず迷いなく告げる理人さんに、私は唇を綻ばせる。

「出ていきません。私、理人さんには幸せになってほしいんです」

「俺の幸せとお前がここにいることが、どう関係あるんだよ」

 理人さんの口調が、いつもより穏やかに感じられた。
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