諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 見えないとわかっていても、私は理人さんの方へ身体を向ける。それが彼にも伝わったのか、少ししてから、わずかな振動とシーツが擦れるような音が耳に届いた。

「私たちは、余程の出来事がない限りこのまま結婚するでしょ。たとえ私が理人さんの気持ちを得ないままでも。それじゃ私が嫌なのもありますけど、理人さんにとっても――」

 話しながら、理人さんとの数々の思い出が走馬灯のように頭を駆け巡る。

「私は今日まであなたに数え切れないほどの幸せを貰ったので、叶うなら理人さんにも好きな人と幸せになってほしいんです」

「どうせ相手は変えられないから、俺のために俺を落とすって言いたいのか?」

「さすがに、馬鹿が過ぎますか?」

 言い終えた私は、力なく笑った。

「本当に……」

 理人さんの言葉が尻切れになる。
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