諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 私が出ていけば、全部解決するんだよね……。

 この一週間、何度もそう思ったが実行には移せなかった。

 しかし、理人さんのことを一番に考えないと。本当は話し合えればいいのだけれど、この状況では今すぐには難しいかもしれない。

 私は天井を仰ぎながら、小さく息をつく。

 すると、ピンポーンとインターホンのチャイムの音が鳴った。

 ……セールスはほとんど来ないし、誰だろう。

 いささか狼狽えつつも、私はインターホンのモニターを覗く。四角い画面の中には、真剣な面持ちの有家さんが映っていた。

 予想外の人物の登場に、私は呆気に取られる。

 そして、その彼に抱えられるようにして立っていた理人さんの姿を目にした瞬間、私は身を乗り出してモニターに張りついた。
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