諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「お水飲みますか? あと、できれば薬も飲んだ方が――」

 私はサイドテーブルにある水を取ろうと立ち上がった。しかし、そんな私の手首を誰かが掴む。そのまま腕を引かれ、私はバランスを崩して理人さんの上に覆い被さった。

「静菜」

 名前を呼ばれて、起き上がる。

 私の手をしっかり握った理人さんは、目を瞑ってそれを自身の頬に当てた。

「お前の手、冷たい」

 心地よさそうに告げる彼に、思わずドキッとする。しかし、私は、我に返って頭の中を切り替えた。

「理人さんが熱いんですよ。汗もこんなに。着替えましょう」

 寝ている間は、とりあえずコートとスーツのジャケットを脱がすので精いっぱいだった。
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