諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
私たちがやって来たのは、私の家から車で一時間ほどの場所にある、首都圏有数の規模を誇る遊園地だった。
「理人さん。プールの営業期間外には魚が解放されていて釣りもできるらしいですよ」
入り口ゲートで貰ったパンフレットに目を通していた私は、書いている情報を読み上げながら軽い足取りで中へと進んでいた。
肝心の理人さんは、まだチケットを買って入場したばかりだというのに、早くも雑多なざわめきの音に疲れているようにも見える。
日曜日だから思っていたよりも人が多い。理人さん、人混みとか苦手だったのかな。
「理人さん、大丈夫ですか?」
私が訊ねると、理人さんは虚ろになった目をこちらに向けた。見たことがないその表情に、私は思わず小さく肩を揺らす。