諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 私は自分の手もとに視線を落とし、手を引かれるまま着いていく。

 こんなふうに手を繋いで歩くなんて初めてだった。

 遅れて全身にぶわりと熱が駆け巡る。

 どうしよう。不謹慎かもしれないけれど、嬉しすぎてどうにかなりそう。遅いと様子を見に来てくれたり、こうして手を繋いでくれたり、私、思っていたよりも理人さんに嫌われていないって期待してもいいのかな。

 理人さんの温もりが、先ほどの恐怖など一瞬で忘れさせてくれた。

 それどころか、目の前にいるのに胸が焦がれて、鼓動は痛いほどに高鳴っていた。
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