諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
すっかり陽は沈み、空も道路も同じような藍色になっている。
遊園地を出て家まで送り届けてもらった私は、車を降りてほっと息をついた。目についた夜空には少し欠けた月が光っている。
冷たい風で乱れる髪を耳にかける。そっと空気を胸に吸い込んでから、私はおもむろに口を開いた。
「理人さん、今日は色々とありがとうございました。私、本当に楽しかったです」
「あれだけ満喫すればな。お前の体力には感心させられたよ」
助手席のドアを閉める理人さんは、冷ややかな笑みを口もとに浮かべていた。私は楽しかった今日の出来事を思い返し、反射的に微笑む。
「だって、理人さんが一回きりって言うからじゃないですか。でも、さすがにはしゃぎすぎました。ごめんなさい」
困ったように笑いながら言った。