嘘恋のち真実愛
「うわっ、えっ? ええー! なに、これ! えー、すごーい! うわっー!」


語彙力のなさを充分に発揮した感想である。

札幌の街を大きな窓にへばりついて見下ろす私の肩に、征巳さんの手が乗った。


「ここからの景色、気に入った?」

「もちろんです。えっ……なに、この部屋……」


振り向いて背後に立つ征巳さんを見ようとしたとき、部屋の奥に目が止まる。奥行きがある……じゃなくて、普通のツインルームじゃない……。

窓からの景色の素晴らしさに吸い寄せられていたけれど、ふと確認した部屋の広さに唖然とする。私は、口を半開きにして足を動かした。

今いるところには、ダイニングテーブル、ソファー、ローテーブル等があり、マンションの一室のようだ。

私は、まず寝室、それからパウダールームへと見て回る。ところどころで「ふえっ」と変な声が出た。


「征巳さん……」

「なに?」

「この部屋、もしかしてスイートルームっていう部屋ですか?」

「もしかしなくても、間違いなくスイートルームだよ。ゆりかに喜んでもらいたくてね。どう?」


にこやかに両手を広げる彼に困惑した。その手はなにを意味して、どんな答えを期待しているのか……。
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