嘘恋のち真実愛
今こそ、伝えるときだ!

意を決して、口を開く。彼の瞳は私の強い眼差しのせいか、揺れた。


「私は、昨夜からずっと考えていました」


征巳さんとは考えた期間が違う。でも、伝えたいのは時間ではなくて、想いだ。

彼はなにも言わずに、その先に紡がれる言葉を待っていた。

喜ぶ言葉をあげたいと、より強く感じる。


「どこに連れていかれるのか……いえ、どこに連れていってくれるのか、なにをしてくれるのかと不安になりながらもワクワクしていました。昨夜は寝付くのに時間がかかったというのに、今朝はアラームが鳴る前に目が覚めました」


苦笑する私に征巳さんは、小さく頷いた。まだ口を挟まないようだ。まだ肝心なことは伝えていない。

アラームがどうたらは、必要なかったかな。


「実は、朝からずっとドキドキしているか、ムズムズしています。だって、征巳さんがいつも私を見ているから」

「ゆりかから、目を離したくないからね。ゆりかの反応がとにかく気になって。この旅行、楽しんでくれている?」

「はい、もちろん!」


力を入れて返事をすると、彼は目を弓なりにさせた。
< 152 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop